スラックライン専門誌FREEFALL編集長の...
スラックライン専門誌FREEFALL編集長の高須基一朗様から、決起集会に参加された感想を寄稿頂きました。高須さん、ありがとうございました。
タイトル:有言実行。行動力。
先週末4月29日に小布施北斎ホールにて盛大に開催されたWorld Cup『FULL COMBO』の決起集会。200人強の賛同する高名な方々が名を連ね集い、親睦を深めつつ結束力を高めた催しであったと断言できるだろう。
賞味3時間においての余興には、けん玉パフォーマンスにスラックラインのトリック部門におけるトップライダーたちのパフォーマンス、さらにバーチャル・スラックラインといえるのだろうか、東京秋葉原に拠点をもつ大手ゲーム業界と手を組み、スラックラックに実際に乗っている人間にボールをたくさん入れている籠をバーチャルで持たせて大型スクリーンに映し出し、落とさないように歩くといったユニークなイベントも催された。
楽しい余興ばかりで、イベント進行もスムーズに、わたくし個人の感想としては楽しく過ごせた。
この決起集会で壇上にあがり200人を前にしてWorld Cup実行委員会の中核を担う林映寿氏が発言した中で、ポイントが二つあった。
一つは、World Cup運営に際して、事実上の実働部隊となる『スラックライン推進機構』と命名された組織が小布施から旗揚げれたことについて、公の場で発表がされた件。
小布施スラックライン部が主軸となり、日本国内におけるスラックラインに対する知識が豊富な環境下に、スラックラインに特化した組織団体が発足されたことになる。
この組織が、『日本スラックライン連盟』と、どのような立ち位置でWorld Cup開催後に活動を続けていくのかというところも興味深い点だ。
更にもう一つは、スラックライン・ワールドカップの商標権を特許庁へ出願した件。
スラックライン・ワールドカップの商標を出願したことから、『スラックライン推進機構』以外の部外者がスラックライン・ワールドカップと銘打ってイベントを開催することは、特許が正式に下りて以降は、類似商標に引っかかり、法的に問題視されることになるわけだ。
こうした動きは、日本スラックライン界におけるインフラ整備が確立しつつある証拠ともいえる。
映寿氏が決断しているその全ては、社会通説的にみても当たり前のことだ。大人の行動とは、用意周到に細心の注意を払い、脇を固め、有言実行していくことを指す。ゆえに、誰よりも先に勇気ある行動をした点については、日本スラックライン界全体で礼賛するべきだと思う。
とはいえ気になる点もある、『スラックライン推進機構』の発起人の一人であり中心人物である映寿氏が、『日本スラックライン連盟』においても責任ある立場であるが故に、両団体における立場での活動をどういった住み分けにしていくのかを、公に発表していかなければならないだろう。
連盟が行うバッチテストや検定とバッティングする形で、小布施スラックライン部でも独自に活動しているバッチテストや検定があることから、この小布施スラックライン部の認定する検定事案が、今後は『スラックライン推進機構』に準じたものになるのかも気になる。今後、映寿氏とスラックライン連盟・理事長である小倉氏と早急に話し合いを持ち、改めて正式な形で、上記内容についても発表・詳細が出るのを待ちたいと思う。
少し話は逸れるが、今回、小布施へ行って、はっきり分かったことがもう一つある。それは、脇を固めるフロント陣営の二人の縁の下の力持ちについてだ。常に光あるところに映寿氏が前面に立ち行動し、その裏方で実働部隊として立ちまわるのが木下氏と高見沢氏である。木下氏は、世界のトップライダーの一人HARUKIの父君で、高見沢氏は、木下氏の一つ学年で下に位置する後輩にあたる。
映寿氏、木下氏、高見沢氏と、この三人が、小布施エリアのスラックラインの多くのことを中心に活動している。十数年来の盟友との話も聞いており、三位一体となっての行動がチカラに変わっている。この強い結束力は、揺るがない関係値であり小布施スラックラインを支えるキーパーソンである。頼もしい限りだ。
World Cup開催まで140日をきりっている。
走り続けていれば、やっかみや足かせになることは次々起こるだろうが、後ろを振り向いている時間は無い。
※写真提供:FREEFALL